滋賀の棚田に家を構えて暮らしていらっしゃる近藤さん、自然と近い場所で暮らしながら制作をされています。いきいきと描かれる虫や動物や花々。どうしたらこんな風に描けるのだろうと思っていましたが、お話をうかがい、その秘密が少しわかりました。
『はじめまして』
「桜の花をあと何年見られるだろうと、ふと思った時に描きたいと思った」と近藤さん。
年を重ねると誰でも思うことでしょう?と言われ、その場にいる全員がうなづきました。そんなことを考えた時に、今年咲く桜の花は去年咲いた花とは別の花なんだと気がつかれたそう。いつも出会いは一度だけ、一度の出会いを大切にしたいという想いをこめて描かれたそうです。
『のにっき』
いたちが死んで朽ちていくさまを定点観測した絵本です。いたちが骨と皮になっていく様子は衝撃的ですが、「土にかえる」ことの意味を目でみることができます。
この本を描くとき、実際にタヌキの死骸をゆずってもらい、それを山に置いて観察したそうです。においやその土にかえるスピードを体感されてこそ描けた絵なんだということがお話をうかがってよくわかりました。
命は動物も虫も人間もそれぞれ1つ。全部大切な命。でも動物と人の命の違うところはどこなんだろうと考えると、人の命は死んでしまったら終わりでなく、家族や友、関わった人々の心の中に思い出として生きていくということ。思い出の中にある限り生き続けるのだと。そして今生きている私たちの命も自分だけのものではなく、自分に関わってくれているみんなのものでもあるということ。だから大切にしなくちゃいけないんだということを子どもたちにも伝えている、と近藤さんはおっしゃっていました。
また小金井で原画展や講演会を催せたらと思います。
近藤さんありがとうございました。
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前列中央が近藤薫美子さん。 |
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